坂本会計

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2024.10 個人

日当を活用しましょう

1.出張時に支給

出張をした役員・従業員に対し日当を支給することとしている会社があります。今回はこの日当について解説します。

 

2.日当の税務上の取り扱い

会社が役員・従業員に対して支給する日当に関する税務上の取り扱いは以下の通りとなります。

①日当を受け取った役員・従業員

所得税・住民税は非課税

②日当を支払った会社

旅費交通費として損金算入。消費税については課税仕入れとして取り扱う。

 

3.日当が非課税となる理由

所得税法では給与所得を有する者が勤務する場所を離れてその職務を遂行するための旅行をした場合に、その旅行に必要な支出に充てるため支給される金品で、その旅行について通常必要であると認められるものは非課税と定めています。(所得税法第9条第1項第4号)日当はこれに該当するため、受け取った役員・従業員に対しては所得税・住民税が課されないこととなります。

 

4.実費精算+日当支給も可

出張等の際に発生する交通費、宿泊費などについては実費精算するケースが多いと思います。

一方で、出張時の食事代や通信費などについては公私の区分が不明瞭であることから実費精算はせず、出張をした役員・従業員が実質的に負担いるケースもあると思います。このような場合に実費精算する部分とは別に日当の支給を受けることで、出張をした役員・従業員にとっては出張をすることでの費用増を回避することができます。

このように実費精算をしている場合でも、日当を支給しても税務上は差し支えありません。

 

5.日当支給時の注意点

日当は非課税と先述しましたが、日当として支給すれば何でも非課税となるわけでありません。あくまでも通常必要であると認められる範囲内での支給に限って非課税となります。この通常必要であると認められる範囲内での支給を実現するためには以下の4点に留意する必要があります。

①役員・従業員の全員が支給対象となっている

特定の人のみを対象とした場合は、給与として取り扱われます。また、個人事業主が事業主本人に日当を支給しても経費となりません。

②支給額が適正なバランスとなっている

役職によって支給額に差異を設けても差し支えないですが、差異がありすぎると給与として取り扱われる可能性があります。

③他社と比べ高額過ぎない

高額過ぎた場合、給与として取り扱われる可能性があります。

④毎月定額で支給しないこと

出張日数に応じて支給額を計算する必要があります。

なお、日当は日帰り出張の場合でも支給して差し支えありません。これまで日当を支給してこなかったという方は、ぜひ弊社スタッフにご相談下さい。(三代川)