令和7年路線価の傾向
1.令和7年の路線価が発表されました
7月1日に令和7年の路線価が発表されました。今回はそもそも路線価とは何か、全国や千葉県内の最近の路線価の傾向について解説します。
2.路線価とは
路線価とは相続又は贈与により土地を取得した場合に発生する相続税・贈与税を計算するために用いるもので、その年の1月1日時点における主要道路に面する土地1㎡当たりの価格のことです。全ての土地について路線価が設定されているわけではなく、固定資産税評価額を基に計算する土地もあります。
路線価は国税庁が毎年7月1日に公表しています。
3.全国的な傾向
全国的に見ると令和7年の路線価は上昇傾向にあります。令和6年と比べると全国平均で2.7%上昇しています。その中でも東京都内の平均上昇率は8.1%と高くなっています。地方や海外から人口が流入していることやマンションが値上がりしていることなどが原因のようです。
4.上昇率が高い地域
全国各税務署の最高路線価の上昇率上位のうち東京都内以外のエリアは以下の通りです。
長野県白馬村32.4%(1位)
北海道富良野市30.2%(2位)
岐阜県高山市28.3%(4位)
兵庫県豊岡市24.2%(7位)
熊本県菊陽町22.6%(8位)
8位の熊本県菊陽町以外のエリアの上昇は、インバウンドに人気の観光地であることが背景にあるようです。
熊本県菊陽町の上昇は、台湾の会社であるTSMCの工場が稼働したことが背景にあるようです。
5.千葉県内の傾向
千葉県内の路線価も全国同様上昇傾向にあります。平均上昇率は4.3%となっています。
千葉県内各税務署の最高路線価の上昇率が最も高かったのはJR津田沼駅前のぶらり東通りで18.3%上昇しました。
その他にも本八幡駅前通りや松戸駅西口バスターミナル側通り、蘇我駅東口ロータリー、千葉駅東口駅前広場などが10%以上の上昇率となっています。
東京都内の地価が上昇する中、東京から近く、東京と比べると地価が安い千葉にも人口が流入していることが上昇の原因のようです。
一方、銚子駅前広場は、千葉県内各税務署の最高路線価の中で唯一下落しました。利根川を挟んだ鹿島臨海工業地帯の茨城県神栖市への人口流出や基幹産業の減速などが原因のようです。
6.ネットで確認できます
路線価はネットで閲覧することができます。ご自身やご親族が有する土地の路線価をご確認されてはいかがでしょうか。
※本記事は7月2日発行の日本経済新聞を参考に作成しました。(三代川)