交際費に関する税務上の注意点
1.法人税における交際費の取扱い
資本金1億円以下の中小企業が交際費を支払った場合、以下のいずれかの金額は損金の額に算入することができません。
①年間800万円を超える部分の金額
②交際費のうち飲食等に要する費用の50%を超える部分の金額
2.そもそも交際費ではないケースも
交際費として処理していた支出について、税務調査の際に「個人で負担すべきものであるから交際費ではない。個人で負担すべきものを法人が負担したから、法人から個人に対する給与とみなします。」と調査官から指摘を受けるケースがあります。
例えば、接待交際に使うために法人が費用負担をしてゴルフセットを購入した場合です。
購入したゴルフセットを複数のスタッフが接待時に使用している場合は、交際費として認められるかもしれません。一方で、社長など特定の誰かしか使用せず、ゴルフセットを特定の誰かの自宅に常に保管しているケースでは交際費ではなく給与とみなされる可能性が高くなります。
ゴルフセットを例にしましたが、スーツ等の衣類やカバンについても同様の取扱いとなります。
3.ギフトカード
お客さまに対してお礼として渡すために法人がまとめてギフトカードを購入するケースがあります。1人当たりへの配付金額があまりにも高額でなく、かつ購入したギフトカードを購入後すぐに配付した場合には、購入時点で交際費として処理しても後から税務署による指摘がなされる可能性は低いものと考えます。
まとめて購入したギフトカードをすぐに配らず、決算日が過ぎた後に配付した場合、購入時点で交際費として処理するのは誤りです。購入したギフトカードを配付した時点で交際費として認識することが正しい処理となります。
また、お客さまに配付するために購入したギフトカードを役員や従業員が自身の私的な支出のために使用した場合、交際費ではなく役員や従業員に対する給与とみなされます。
このような後から指摘をされるリスクを回避するためには、購入したギフトカードは決算日までに全て配付すること、配付した相手を記録しておき税務調査の際に提示できる状態にしておくことが望ましいと考えます。
4.防衛策
税務署は交際費の支払先を訪問し、交際費としての処理が適切かどうか、いわゆる反面調査を実施することもあります。
このような事態にならないようにするためには領収書等に、誰と行ったのか、誰に贈答したのか、どういう目的なのか、などを記載しておくことが望ましいと考えます。
税務調査の場で、適切な処理ではないのではと言われ、長期に渡ってあちこちを調べられることは大きなストレスになります。そのような状況とならないよう、適切な処理を実施すると同時に先述の防衛策を実行しましょう。
(三代川)