坂本会計

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2014.12 個人

失念すると勿体ない 扶養控除

1.年末調整

「扶養に入れた」「扶養から外れた」・・年末調整の時期になると『扶養』という言葉を頻繁に耳にするようになります。何気なく使われている『扶養』という言葉ですが、税金を計算する上では、どのように定義されているのでしょうか。

 

2.所得税における扶養親族の定義

国税庁のホームページでは、扶養控除の対象となる扶養親族をその年の12月31日において、次の4つの要件全てに該当する16歳以上の人と定義しています。

①配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)等

②納税者と同一生計であること

③給与収入が103万円以下(合計所得金額が38万円以下)であること

④青色申告の事業専従者として、その年に1回も給与の支払を受けていないこと等

②の同一生計というのは、同居とは異なります。勤務や修学、療養等の都合により別居をしている場合であっても、生活費や学費、療養費等の送金が常に行われているのであれば、同一生計とみなされます。

また、親族が同居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き同一生計と判断されます。

以前は、16歳未満の人も扶養控除の対象でしたが、子ども手当(現:児童手当)の導入により、平成23年より16歳以上に限定されました。

 

3.扶養親族がいるとどうなる?

扶養している親族がいると、扶養控除を受けることができ、扶養親族がいない場合と比べると所得税は安くなります。扶養控除の金額は、19歳以上23歳未満の扶養親族1人につき63万円、同居している70歳以上の扶養親族1人につき58万円(別居の場合は48万円)、それ以外の扶養親族については、1人につき38万円です。

 

4.実際にあった間違い

扶養控除に関連して、実際にあった間違いを紹介します。

ある会社の社長は、別居している80歳の母に対して、以前から毎月15万円ずつ生活費を送金していました。母は毎月10万円、年間120万円の遺族年金を受け取っていました。社長は、母は年間103万円以上の収入を得ているから、扶養控除の対象にはならないと考え、扶養親族はいないものとして、数年にわたり年末調整を行いました。

確かに母には年間103万円以上の収入があるのですが、遺族年金は所得税法上、非課税とされています。扶養控除の判定にあたり、非課税とされる収入は、合計所得金額に含めません。そのため、母の合計所得金額は0円となり、本来であれば、扶養控除を受けることができたのです。

 

5.まとめ

4の実例では、状況を知った弊社担当者が対応し、払い過ぎていた直近5年分の所得税・住民税を取り戻すことに成功しました。正確な知識がない状態で年末調整を行うと、本来払う必要がない税金を払うことになりかねません。ご不明の点がある方は、弊社三代川(みよかわ)までお気軽にご相談下さい。