坂本会計

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2020.7 個人

資金繰りが苦しい場合は納税猶予の申請を

1.納税の猶予制度

新型コロナウイルス感染拡大により、感染拡大前と比べ、売上が20%以上、ひどい場合では100%近く減少している事業者がいます。

今回は、そのような事業者が検討すべき納税の猶予制度について解説します。

 

2.法人が負担する税金の種類

事業者が支払っている税金は多岐に渡ります。法人の場合、以下の種類の税金を支払っています。

①法人税及び地方法人税

②法人県民税

③法人事業税及び地方法人特別税

④法人市民税

⑤消費税

⑥固定資産税

⑦(従業員等の)源泉所得税、市県民税

 

3.個人事業者が負担する税金の種類

次に個人事業者の場合、以下の種類の税金を支払っています。一般的な支払時期も記載します。

①所得税及び復興特別所得税 3月、7月、11月

②市県民税 6月、8月、10月、1月

③個人事業税 8月、11月

④消費税 3月、8月

⑤固定資産税 4月、7月、12月、2月

⑥(従業員等の)源泉所得税、市県民税

業績が急激に悪くなった場合に支払に特に苦慮するのが、中間申告(予定納税)です。中間申告とは前年度の税額が一定額を超える場合に、翌年度の税額を決算(確定申告)時に一括ではなく、分割して支払うことを義務付ける制度です。
令和元年は好業績で、多額の所得税等を支払ったものの、令和2年に入り新型コロナの影響で業績が急激に悪化した事業者がいたとします。令和2年に支払う中間申告の税額は、令和元年分の税額を基に計算します。つまり、新型コロナの影響で業績が悪化している最中に多額の中間申告税額を支払わなければならないことになります。中間申告にも支払期限があり、期限を過ぎて支払った場合、延滞税が発生してしまうケースがあります。

 

4.1度に多額の納税を回避するために

1度に多額の納税を回避する方法が、納税の猶予申請書を税務署等に提出することです。

令和2年2月1日から令和3年2月1日に納期限が到来する国税・地方税については、新型コロナの影響により、令和2年2月以降の任意の1ヶ月において、事業等の収入が前年同期と比較して、おおむね20%以上減少していて、税額を一時に納付することが困難な場合、納税の猶予申請書を税務署等に提出すれば、1年間納税が猶予されます。猶予されている間は、延滞税等はかかりません。

 

5.納税の猶予申請書の作成は難しい?

納税の猶予申請書の作成フォームと記載例は国税庁ホームページに掲載されています。記載例を参考とすれば、申請書は簡単に作成することができます。納税の猶予申請書を作成・提出し、資金繰りの悪化や延滞税の発生を回避しましょう。記載例を見ても作成方法がわからない、作成を代行してほしいという方は、ぜひ弊社担当者にご相談下さい。(三代川)