相続税申告の実情
1.令和6年分申告事績
国税庁は令和6年分における相続税の申告事績の概要を公表しました。今回はその申告事績の概要と相続税申告を実施すべきかどうかを判定する方法を解説します。
2.死亡者数・課税対象となった被相続人数
令和6年1~12月の死亡者数(被相続人数)は1,605,378人で、前年に比べ約3万人増加しました。
相続税の申告書の提出があった被相続人数は166,730人で前年に比べ約1万人増加しました。
166,730÷1,605,378×100=10.39%。1年間に亡くなった人のうち10%以上の人が相続税の申告対象となったという意味です。
平成26年は5%を下回っており、10年前と比べると申告対象が大幅に増加していると言えます。
3.申告対象が大幅に増えた理由
10年前と比べ申告対象が大幅に増えた理由として、以下の内容が考えられます。
①基礎控除額の見直し
5,000万円+法定相続人の数×1,000万円であった基礎控除額が平成27年1月以降発生の相続より3,000万円+法定相続人の数×600万円に縮小されました。この縮小に伴い、それまでは申告する必要がなかった人も申告対象になるケースが多く見られるようになりました。
②株価・地価の上昇
以前と比べ日経平均株価・地価ともに上昇しており、相続財産の金額が増加していることも申告対象の大幅増に影響しているものと考えられます。
4.相続税申告を実施すべきかどうか判定する方法
国税庁が公表した相続税の申告事績によると相続財産の主な種類別の金額の構成比は以下の通りとなっています。
①現預金 34.9%
②土地 30.2%
③有価証券 17.8%
これらや生命保険金等の合計額が、3で言及した基礎控除額(3,000万円+法定相続人の数×1,000万円)を超えているかどうかによって、相続税申告を実施すべきかどうかが決まります。
5.土地をどのように計算するのか
相続税における土地の評価方法は、その土地が所在する地域によって「路線価方式」か「倍率 方式」のいずれかが適用されます。大雑把に区分すると地方や農村部にある土地は倍率方式、それ以外の土地は路線価方式で計算することが多いです。
路線価方式の計算式は、その土地に設定されている1㎡当たりの路線価×地積×各種補正率です。各種補正率は計算が複雑であるため申告義務判定の段階では度外視しても差し支えありません。1㎡当たりの路線価は国税庁のホームページにて確認をすることができます。
6.判定してみましょう
相続税の申告をする必要があるかどうかはこのように簡単に判定することができます。ぜひ一度判定してみてはいかがでしょうか。(三代川)