税務調査が簡略化されることも?書面添付
1.税理士法33条の2
書面添付とは、税理士が作成し、法人税、消費税、所得税等の申告書に添付して提出する書類です。
税理士法33条の2にて規定されています。
2.書面添付の記載内容
書面添付に記載する主な内容は以下の通りです。
①申告書の作成に際して確認した書類等の名称
(例)預金通帳、請求書、棚卸表など
②申告書の作成に際して、計算や整理した事項
(例)締日(20日)後から決算日までに生じた売上について、請求書を確認して金額を集計し、
当期の売上に含めています。
③前期の決算内容と比べ顕著に増減した項目と増減が生じた理由
(例)期末仕掛工事は、来期早々に引渡しが完了する予定の工事に係る支払を期末仕掛工事として取り扱っているため、前期に比べ大幅に増加しています。
④前期の決算内容と比べ表示を変更した箇所
(例)不動産に関する賃料収入について、これまでは雑収入として経理していましたが、取引金額が増え、法人の目的に不動産賃貸業という項目を加えたことから、当期より売上高に含めて表記しています。
⑤税理士が依頼者からの相談に応じた事項
(例)依頼者より~について相談があり、当税理士法人は~と回答しています。
⑥その他所見等
(例)依頼者は毎月記帳を行っており、納税意識に問題はありません。
3.書面添付の特典
書面添付を作成・提出することにより、税理士はより広範囲に責任を問われることになります。
責任範囲が広くなる一方で、特典も用意されています。それは、税務調査について、意見聴取の機会が与えられることです。
4.意見聴取
税理士が関与している会社に対して税務調査が行われる場合、通常は調査官から税理士のところに連絡が入り、後日、お客さまの事務所等にて実地調査が行われます。
書面添付を提出している場合、実地調査の前に、税務署にて税理士が調査官に対して意見陳述を行う機会が与えられます。これが意見聴取です。意見聴取の結果、調査官が実地調査を行う必要がないと判断した場合、実地調査は省略され、この時点で税務調査は終了となります。
ちなみに、弊社では直近6年間に13件の意見聴取がありましたが、そのうち9件、約7割について実地
調査が省略されています。
5.8%しか提出していない
平成25年度に税務署に提出された法人税の申告書のうち、書面添付が添付されていたのは100件中8件程度と極めて少なくなっています。
弊社では、契約後1年を過ぎたお客さまのほぼ全てについて、書面添付を作成・提出しています。
税務調査対策として書面添付に興味があるという方は、ぜひ弊社三代川(みよかわ)にお気軽にご相
談下さい。