坂本会計

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2018.3 法人

出張時には日当を活用しましょう

1.日当を活用していますか?

日帰り又は宿泊を伴う出張を行うことが多い経営者・従業員の方、日当の支給を受けていますか?日当を活用することで、会社の税負担と個人の金銭負担を軽減することができます。

本誌面では、日当の定義や相場等について、解説します。

2.日当とは

日当とは、役員や従業員が勤務地を離れて業務に従事する出張時に、出張に伴う精神・肉体的疲労に対する慰労や諸雑費の補填といった意味合いで交通費や宿泊費と別に支給されるものです。

3.日当のメリット

出張時には、飲食代や交際費など、勤務地で従事している時よりも多くの支出が発生します。日当の支給を受けることで、これらの支出を個人で負担しなくて済みます。

出張時に支給される日当は、税法上、給与ではありません。通常必要であると認められる金額の範囲内であれば、会社から支給された日当に対しては、所得税や住民税は課税されません。

また、会社から役員に対して給与を支給する際には、毎月所定の時期に同額を支給しなければ、経費として認められない金額が生じますが、日当は給与ではありません。そのため、会社から役員に対して、毎月の給与と別に日当を支給しても、支給した日当は経費として認められます。

消費税の計算上、支給した日当は給与とは異なり、課税仕入れとして取り扱います。日当を支給すると、決算時に納付する消費税額は減少します。

4.中小企業の日当の活用状況

各種規程が整備されている大企業では、日当の支給は広く実施されていますが、中小企業ではどの程度活用されているのでしょうか。日本実業出版社から発行されている『中小企業の役員報酬・賞与・退職金、各種手当支給相場』から、アンケート結果を抜粋します。

Q1.出張規程の有無

規程がある 88.4%  規程はない 11.6%

税法上、給与として取り扱われない日当は、通常必要であると認められる金額の範囲内です。規程に基づかない日当は、税務署から利益調整のための支給と解釈されて、給与として取り扱われる可能性があります。日当を支給するのであれば、出張規程の整備は必要です。

Q2.出張の定義

56.4%の会社が、勤務地から目的地までの距離を基準に出張であるか否かを判断しています。半数近くの会社が、勤務地から目的地までの距離が100kmを超える場合を出張として取り扱っているようです。

Q3.日当の支給額

支給額は、全員一律ではなく、役職に応じた金額としているケースが多いようです。平均額は以下の通りです。

社長   日帰り:4,872円  宿泊:5,090円

部課長  日帰り:2,669円  宿泊:3,117円

一般社員 日帰り:2,091円  宿泊:2,482円

出張規程の整備など、事前準備を適切に行った上で日当を支給すると、会社・個人の金銭負担が軽減されます。本紙面を読んで、日当の支給にご興味を持った方がいましたら、ぜひ弊社担当者までご相談下さい。(三代川)