坂本会計

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2016.10 個人

土地や建物の取得費について

1.土地や建物を売った場合

土地や建物を売った場合において、以下の計算をした結果、譲渡所得が黒字となった時は、確定申告を行う必要があります。

譲渡所得=売った金額-(取得費+譲渡費用)

売った土地や建物を所有していた期間に応じた税率を譲渡所得に乗じて所得税を計算することになり

ます。すなわち、取得費や譲渡費用の金額が大きくなれば、所得税は少なくなります。本紙面では、

取得費の範囲や計算方法を解説します。

 

2.取得費の範囲

取得費は、売った土地や建物を買い入れたときの本体購入代金や仲介手数料などの合計額です。

建物については、買った日から売った日までの期間の減価償却費相当額を引いた金額が取得費となります。

土地や建物本体の購入代金以外には、購入に際して不動産仲介業者に支払った仲介手数料、登録免許税、不動産取得税などが取得費に含まれます。

 

3.土地と建物を一括購入している場合

取得費を計算する場合、建物の購入代金については、先述の通り減価償却費相当額を引かなければなりません。そのため、土地と建物を一括して購入している場合は、購入代金を土地と建物に区分する必要があります。

購入した際の契約書にて購入代金について、土地は○○円、建物は××円と区分して表記されていれば、その金額を基に取得費を計算します。

購入した際の契約書にて、土地と建物とで区分して表記されていなければ、国税庁が発表している『建物の標準的な建築価額表』を参考に建物の購入代金相当額を計算します。土地と建物合計の購入代金から、この方法により計算した建物の購入代金相当額を引いた残額が土地の購入代金相当額ということになります。

 

4.購入代金が分からない場合 原則

購入した際に作成した売買契約書や領収書などが残っておらず、土地や建物の購入代金がわからない場合があります。この場合、取得費は原則的には売った金額の5%となります。つまり、譲渡費用がないものとすると、売った金額の95%が譲渡所得となります。売った金額がほぼそのまま利益とみなされて課税されるような状況です。

 

5.購入代金が分からない場合 例外

購入した際の資料はないけれど、売った金額の5%しか取得費とならないのではたまらないという

場合、概算で取得費を計算する例外的な方法もあります。それが以下の方法です。

①市街地価格指数等の変動率に基づき計算する方法

②路線価や公示価格、基準地価格、固定資産税評価額などを参考に計算する方法

 

6.例外を使う場合

5でご紹介した方法は、いずれも例外的な方法であり、実際の確定申告で使用する際には色々な点に留意する必要があります。使用をご検討されている方がいらっしゃいましたら、ぜひ弊社担当者までご相談下さい。