過去の確定申告に誤りが見つかった場合
1.誤りが見つかった場合の対応
今年の分の確定申告書を作成している最中に、過去に作成した確定申告書の中に誤りを発見することがあります。本誌面では、そのような場合にどのように対応すべきかを解説いたします。
2.2種類に分かれます
誤りを訂正することで、支払うべき税額が増える場合と減る場合とに分かれます。
支払うべき税額が増える場合、修正申告を行う必要があります。
反対に支払うべき税額が減る場合、更正の請求という手続きを行うことができます。
3.修正申告
修正申告は、誤っていた箇所を訂正した確定申告書を新たに作成し、税務署に提出する手続きです。
修正申告書という形式の書類が設けられているわけではなく、例年提出する確定申告書のタイトルを修正申告書と変更して、使用します。
修正申告をすることにより、追加で税金を支払わなければいけない場合は、納付書を金融機関や税務署に持って行き、支払います。振替納税はできません。
税務調査により、誤りが発見され、追加で税金を支払うことになった場合、本体の税額とは別に、過少
申告加算税と延滞税という税金を支払う必要がありますが、自ら誤りに気が付き、修正申告を行った場合、無申告加算税は免除されます。延滞税は支払わなければいけません。
この修正申告は、申告期限から5年を経過する前に誤りを発見した場合は行わなければなりません。
4.更正の請求
更正の請求は、更正の請求書を作成し、税務署に提出する手続きです。
更正の請求書は、確定申告書とは異なる用紙です。訂正する前と後の数値を並べて記載します。
更正の請求書には、なぜ訂正をするのかをまとめた書類とそれを裏付けする書類(領収書、証明書など)を添付する必要があります。
更正の請求書を提出すると、提出を受けた税務署が申し出に沿って、納税者に税金を還付して良いかどうかを審査し、問題がなければ還付します。追加で資料の提出を求められるケースもあります。更正の請求をすることができるのは、申告期限から5年が経過するまでです。
5.そもそも申告していなかった場合
修正申告も更正の請求も、過去に確定申告書を税務署に提出している場合に行う手続きです。
確定申告書を提出すべきだったのに提出していなかった場合、本来の期限は超過していますが確定申告書を提出し、税金を支払わなければなりません。提出された確定申告書は期限後申告という扱いになり、先述した延滞税と無申告加算税を支払うことになります。
また、確定申告書を提出すれば税額が減ったのに、提出していなかった場合、5年以内であれば、今からでも確定申告書を税務署に提出することで、税額の還付を受けられるケースがあります。
過去の分を訂正する手続きは、通常の確定申告に比べ煩雑です。どのように対応すれば良いかわからないという方がいらっしゃいましたら、ぜひ弊社担当者にご相談下さい。