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2026.7 個人

中小企業の防衛策『経営セーフティ共済』

1.国の制度

中小企業を経営する上で避けて通れないのが取引先の倒産や予期せぬ資金繰りの悪化というリスクです。今回は、そんな万が一の事態から会社を守り、同時に賢く節税できる国の制度『経営セーフティ共済』について解説します。

 

2.経営セーフティ共済とは

経営セーフティ共済は、取引先が倒産した際に、「回収困難になった売掛金などの債権額」又は「最高8,000万円(掛金総額の10倍)」のいずれか少ない額の資金を無担保・無保証人で迅速に借り入れられる制度です。

 

3.4つのメリット

経営セーフティ共済の4つのメリットについて解説します。

①掛金が全額損金(経費)になる

毎月の掛金(月額5,000円〜20万円、最高800万円まで積立可能)を全額損金又(経費)に算入することができます。利益が出ている年の節税対策として有用です。

②40ヶ月以上加入で解約手当金が100%戻る

40ヶ月以上加入していれば、自己都合で解約した場合であっても支払った掛金の100%が解約手当金として戻ってきます。

③無担保・無保証人で迅速な貸付

取引先が倒産した場合、担保や保証人なしで、掛金総額の10倍(最大8,000万円)まで借入れが可能です。

④一時貸付金制度

取引先の倒産だけでなく、自社の資金繰りが一時的に悪化した場合でも、解約手当金の範囲内で借入ができる一時貸付金制度もあります。

 

4.2つの注意点

3で触れた通り、メリットの多い制度ですが、加入・運用の差異には以下の2点に注意が必要です。

①解約手当金は益金(収入)になる

掛金を支払う時は経費になりますが、解約して手当金を受け取る時は益金(収入)となり、課税利益が出ている年においては課税対象となります。

そのため、何も計画せずに解約すると、戻ってきたお金に大きな税金がかかってしまいます。「赤字の年度に解約する」「役員退職金の支給時期に合わせて解約する」など、出口戦略の計画が不可欠です。

②再加入の制限

2024年10月より税制が改正され、共済を解約した後に再加入した場合、解約日から2年間は掛金を損金(経費)に算入することができなくなりました。以前のように赤字の年に一度解約してすぐに再加入してすぐに損金(経費)算入するということはできなくなりました。

 

5.万が一の事態から会社を守る

経営セーフティ共済=節税に用いるものと認識している方がいるかもしれないですが、本紙面で解説した通り、迅速な貸付や一時貸付金などにより資金を確保できるようにすることが本来の目的です。未加入の方はご加入を検討されてはいかがでしょうか。(三代川)