マイホームを売ったときの税金の取り扱い
1.平成24年分確定申告
新しい1年が始まり、所得税の確定申告(以下確定申告)の時期が近づいてきました。確定申告とは、納税者自らがその年1年間の所得又は赤字の金額とそれに対応する所得税の額(以下所得等)を計算し、税務署に申告する手続き全般を指します。平成24年1月1日から12月31日までの所得等は、平成25年2月18日から3月15日までの間に申告をする必要があります。なお、申告をすると所得税が戻ってくる人は、2月18日より前に申告をすることができます。給与所得以外に所得のない人は、12月に勤務先にて行う年末調整で所得税の額を確定・精算しているため、基本的には確定申告をする必要がありませんが、確定申告をしなければならない場合やした方が有利になる場合もあります。その一例が、マイホームを売却した場合です。
2.基本的な考え方
① 所得の種類
所得税の計算における所得の種類は給与所得、不動産所得など10種類ありますが、マイホームの売却により得た所得は、そのうちの譲渡所得に分類され、給与所得や不動産所得などといった他の種類の所得とは区分して所得税の額を計算することになります。
② 所得の計算方法
マイホームを売却したことによる所得は、以下の算式により計算します。売却した金額-(売却した土地を購入した際の金額+売却した建物の現在価値+売却した土地を購入した際に発生した経費+売却時に発生した経費)
③ 税率
2-②にて、マイホームの売却により得た所得は、他の種類の所得とは所得税の額を計算することになると申し上げましたが、所得に乗じる税率も他の所得とは異なるものを用いることになります。マイホームの売却による所得に対して乗じる税率は以下の通りです。
所有期間5年以下=所得税30%(+住民税9%)
所有期間5年超=所得税15%(+住民税5%)
上記の所有期間は、売却した年の1月1日時点でそのマイホームを有していた期間が5年を超えているか否かにより判定します。例えば、平成19年1月21日に取得したマイホームを平成24年7月20日に売却した場合、取得から売却までの期間は5年6ヶ月ですが、取得から売却した年の1月1日までの期間は4年11ヶ月であるため、適用する所得税の税率は30%となります。
3.特例の存在
2でマイホームの売却による税金の計算の基本的な考え方について触れましたが、以下のような特例の適用を受けることも可能です。これらの特例を受けるためには、一定の要件を満たす必要があります。詳しくは、弊社の三代川(みよかわ)までお気軽にお問合せ下さい。
- 2②の式により計算した所得から3,000万円を差し引くことができる特例
- 一定部分の所得に対して乗じる税率を10%(+住民税4%)とする特例
- 売却により生じた赤字を給与所得等と相殺し、相殺 しきれなかった部分を翌年以降に繰り越す特例(参考文献)
- 日本実業出版社『平成25年申告用あなたの確定申告』
- 国税庁『暮らしの税情報・平成24年度版』