年収1,000万円以上の人は所得税が増える?
1.平成26年度税制改正
平成26年3月20日に成立した平成26年度税制改正関連法では、『復興特別法人税の前倒
し廃止』や『ゴルフ会員権の譲渡損失の損益通算廃止』、『給与所得控除の見直し』など
が盛り込まれました。
この紙面では、そのうちの『給与所得控除の見直し』について詳しく見ていきます。
2.給与収入に対する所得税
給与を受け取った場合の所得税の計算方法は、以下の通りです。
(給与の額面金額-給与所得控除の額-生命保険料など各種控除額)× 所得税率
このうち、今回見直されることになった給与所得控除の額とは、どのようなものでし
ょうか?
3.給与所得控除とは
事業収入がある人の所得税の計算方法は、以下の通りです。
(売上-経費-生命保険料など各種控除額)× 所得税率
給与所得控除とは上記のうちの経費の部分であり、いわば給与所得者の必要経費です。
この給与所得控除の金額は、給与収入によって決まっていて、給与収入が大きくなる
と、給与所得控除額も比例して大きくなります。
4.今回の改正内容
以前は給与収入に比例して青天井で給与所得控除額も増えていましたが、平成25年分
の所得税から給与収入が1,500万円超の場合、一律245万円と改正されました。
今回の平成26年度税制改正では、給与所得控除額の上限金額がさらに引き下げられるこ
とになりました。平成29年分の所得税から給与収入が1,000万円超の場合、給与所得控除
額は一律220万円と改正されます。
5.どれだけ税負担が増えるか?
給与収入が1,800万円の人の場合の所得税額は、平成24年以前は約342万円でしたが、
平成25年より約347万円となり、平成29年からは約356万円となります。平成24年と平成
29年とを比べると、給与の額が同じにもかかわらず所得税額が14万円も増加することにな
ります。
6.どう節税する?
中小零細企業の場合、社長の給与の額をいくらに設定するかによって、会社の利益の金
額、会社及び社長の税金の金額は大きく変わります。自らの手取りは多くしたいけど、税
金はなるべく少なくしたいとお考えの社長やそのような社長を知っているという方がいら
っしゃいましたら、ぜひ弊社までご相談下さい。