坂本会計

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2017.9 法人

中小企業向け投資促進税制の概要

1.投資促進税制とは

投資促進税制とは、適用要件に合致した設備投資を実施することにより、設備投資額のうち一定額を法人税等から差し引くことができる又は減価償却費を通常より多く計上することができるという制度です。

この投資促進税制は、毎年内容が見直しされています。本誌面では、平成29年4月時点における資本金3,000万円以下の法人を対象とした投資促進税制の概要を解説します。

 

2.種類

平成29年4月時点における資本金3,000万円以下の法人を対象とした投資促進税制は、以下の3種類となります。

①中小企業経営強化税制

②中小企業投資促進税制

③商業・サービス業活性化税制

 

3.中小企業経営強化税制

この税制は、平成29年3月まで適用されていた生産性向上設備投資促進税制を見直して、平成29年4月に新たに創設されたものです。

青色申告書を提出する法人が、生産性を向上させる設備又は収益力を強化する設備を取得した場合に、取得した年度において取得価額の全額を一時償却又は取得価額の10%を法人税額から控除することができるという制度です。

生産性を向上させるための設備、収益力を強化する設備の定義は難解であるため、この紙面では解説しませんが、1台につき160万円以上の機械装置、30万円以上の器具備品、60万円以上の建物附属設備、70万円以上のソフトウェアが対象となる可能性があります。
4.中小企業投資促進税制

法人が、1台につき160万円以上の機械装置又は1単位につき70万円以上のソフトウェアを取得した場合に、取得した年度において取得価額の30%相当額を本来の減価償却費に加算できる又は取得価額の7%を法人税額から控除することができる制度です。

この税制は、以前からありますが、平成29年4月より、器具備品については対象外となりました。

 

5.商業・サービス業活性化税制

卸売業、小売業、サービス業などを営む青色申告法人が、1台につき30万円以上の器具備品、1単位につき60万円以上の建物附属設備を取得し、かつ、認定支援機関や商工会議所から経営改善等に係る指導・助言を受けた旨を明らかにする書類の交付を受けた場合には、取得した年度において取得価額の30%相当又は取得価額の7%を法人税額から控除することができる制度です。

 

6.適用誤りに注意しましょう

本誌面でご紹介した3つの税制は、平成31年3月31日までに事業の用に供した資産を対象としています。

本誌面では、各制度のイメージのみをご紹介しています。実際に適用するためには、要件を満たしているかを細かく検討する必要があります。これから実施を検討している又は既に実施した設備投資がこれらの税制の適用要件を満たしているかどうかを確認したいという方は、ぜひ弊社担当者までご相談下さい。