坂本会計

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2016.6 法人

合同会社の特徴について

1.合同会社10周年

合同会社は、平成18年5月に施行された会社法によって創設された新しい会社類型です。

合同会社による会社設立件数は、平成19年は約6,000社でしたが、平成25年は約14,500社と、増加傾向にあります。

本紙面では、合同会社の特徴について解説します。

 

2.特徴

合同会社の大きな特徴は、以下の3つです。

①会社設立費用が安い。

②出資者=役員である。

③会社を維持するための費用が安い。

 

3.会社設立費用が安い

株式会社の場合、会社を設立するための登記費用等として約25~30万円程度がかかります。

合同会社の場合、約11~15万円程度で設立することができます。

株式会社の場合に比べ費用が少ないのは、登録免許税が9万円安いこと、定款認証費用5万円がかからないためです。

合同会社を設立した多くの人が、設立費用が安いという理由により合同会社を採用しています。

 

4.出資者=役員

上場企業をイメージしていただくとわかりやすいですが、株式会社の場合、中小企業を除くと、出資

者=役員ではないケースが多いです。

合同会社の場合、出資者=役員です。役員となるには出資をする必要があります。

また、合同会社の場合、役員のことを社員と言います。株式会社における取締役は、合同会社では業務執行役社員、代表取締役は代表社員となります。

株式会社の場合、重要な事項は株主総会での決議により決定されるケースが多いですが、合同会社の場合は、社員間での協議により決定されます。

また、社員の議決権は、出資割合にかかわらず、1人につき1個となります。

 

5.会社を維持するための費用が安い

株式会社の場合、実務上していないケースも多いですが、官報などに決算公告をする必要があります。合同会社の場合は、決算公告をする必要はありません。

また、株式会社では役員の任期は2~10年とされており、役員を変更しない場合でも、任期満了ごとに重任登記をする必要があり、費用がかかります。合同会社では、役員には任期がないため、この費用がかかりません。

 

6.合同会社の弱点

合同会社の弱点は、歴史が浅く、知名度が低いことです。

取引先や金融機関の担当者がこれまでに取引をしてきた会社の多くは株式会社や有限会社です。大きな違いがあるわけではないのですが、合同会社よりも株式会社の方が信用できるという印象を持っている方はまだまだ多いように思われます。

会社設立に際して、株式会社と合同会社のどちらを採用すべきかなどを検討されている方がいましたら、ぜひ弊社担当者までご相談下さい。