災害により期限内に申告納付できない場合
1.税金どころではない
熊本での地震、千葉での豪雨。これらの災害の影響で、申告納付期限が近づいていても、それどころではない会社・個人の方もいると思われます。
今回は、このような災害が発生した場合において、期限内に申告納付できない時の措置について解説します。
2.2種類の延長制度
災害などの理由により、国税に関する申告・納付などを期限までに実施することができない場合の措置は2種類あります。
①地域指定による期限の延長
②個別指定による期限の延長
3.地域指定による期限の延長
災害などの理由により、都道府県の全部又は一部にわたり期限までに申告・納付などを行うことができないと認める場合には、国税庁長官は地域及び期日を指定してその期限を延長することとされています。
つまり、上記の措置により指定された地域に納税地がある法人・個人は、指定された期日までに申告すれば良いこととなります。
7月28日に発生した熊本地震では、熊本県八代市、宇土市、宇城市、八代郡氷川町を指定地域とし、この指定地域内に納税地がある法人・個人は、申告納付期限が今年7月28日以降の税務手続きについては、その期限を別途国税庁告示で定める期日まで延長することが発表されています。いつまで延長されるかについては、被災者の状況に十分配慮しつつ今後検討するとされています。
4.個別指定による期限の延長
災害などの理由により、国税に関する申告・納付などをその期限までにすることができないと認める場合には、3で解説した地域指定がされている場合を除き、所轄の税務署長は納税者の申請により、その理由のやんだ日から2ヶ月以内に限り、期日を指定して申告・納付などの期限を延長することができるとされています。
熊本地震のケースでは、地域指定の対象となっているのは4つの自治体に納税地がある法人・個人だけですが、この4つの自治体以外に納税地がある法人・個人であっても、地震に被災し、申告・納付等をすることができない場合には所轄の税務署に申請することにより申告・納付等の期限の延長を受けることができます。
この申請は、期限後に状況が落ち着いた後に申告・納付等と同時に行うことも可能とされています。
5.災害により帳簿書類等が滅失した場合
災害により帳簿書類等が滅失した場合は、前年度の決算書等を参考にして損益を計算することとなります。所轄の税務署には過去に提出された決算書等が保存されていて、手続きをすればそれらの書類を閲覧することができます。(三代川)