坂本会計

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2015.3 法人

修繕費用の税金上の取扱い

1.よくいただく質問

私たちがお客さまからよくいただく質問として、「建物の修理のために~万円を払ったけど、この費

用は全額当期の経費に入れることができるの?」というものがあります。

この誌面では、修繕費用の税金上の取扱いについて、解説します。

 

2.修繕費用の区分

固定資産の修理、改良等のために支出した金額は、税金の計算上は、①固定資産の取得として取り扱い、複数年に渡り減価償却をする必要がある資本的支出と②支払った年に支払額全額を経費にすることができる修繕費とに区分されます。

 

3.資本的支出とは

資本的支出は、固定資産の使用可能期間の延長又は価値の増加をもたらす等の積極的な支出と定義されています。資本的支出に該当するものの例としては、以下のものがあります。

・建物の避難階段の取付など、物理的付加に係る費用

・用途変更のための改造・改装等に係る費用

・高品質又は高性能のものへの取替に係る費用

資本的支出に該当する場合、2で触れたように、固定資産を新たに取得したものとして取り扱うことになるため、修繕費用を支払った年に経費に含まれる金額は、減価償却費相当額のみとなります。

 

4.修繕費とは

修繕費は、固定資産の通常の維持管理及び現状回復のため等の消極的な支出と定義されています。
修繕費に該当する部分については、修繕費用を支払った年に支払額全額を経費にすることができます。

 

5.資本的支出と修繕費の判定基準

実務上は、支払った修繕費用が資本的支出と修繕費のどちらに該当するかが明確に区分できないケースが多く見受けられます。

資本的支出であるか修繕費であるかが明らかではない修繕費用については、一定の判定基準が設けられています。資本的支出であるか修繕費であるかが明らかではない修繕費用のうち、以下のいずれかに該当する部分は修繕費として取り扱って良いとされています。

・20万円未満の修繕に係る費用

・おおむね3年以内の周期で行われる修繕に係る費用

・支出額が前期末取得価額の10%以下の修繕に係る費用

 

6.修繕費にするためには?

修繕費の金額を増やすためには、修繕費用を工事の内容別に細かく区分することが大切です。総支出額が数百万円の工事でも、工事の内容別に細かく区分した結果、支出金額の大部分を一時に経費とすることも可能です。細かく区分するためには、工事会社に見積書や請求書を作ってもらう際に、工事内容をなるべく詳しく記載してもらうことや工事前後の写真を撮り、保存しておくことなどが有用です。

こういうケースは修繕費にすることができるのかなどのお悩みがございましたら、ぜひ弊社三代川(みよかわ)までご連絡下さい。