決算月・本店はどう決めれば良い?
1.個人と法人の違い
個人事業主は、12月以外の月を決算月とすることはできません。
一方、法人は、決算月を自らの意思で決めることができます。
2.決算月はどうやって決める?
法人を設立する際に、何月何日を決算日とするかを決定する必要があります。
決算月は、以下の3つのいずれかの考え方により決定するケースが一般的です。
・設立日から起算して1年が経過する月
・主要取引先の決算月
・3月
3月決算とする法人が多いのは、多くの法人が3月決算としていることや4月から3月を1年度とする考え方が一般的であることに拠ります。
3.お勧めの決算月
税金という観点で決定するならば、売上が少ない月を決算月とすることをお勧めします。
売上が多い月を決算月とし、決算月の売上が見込み以上となった場合、節税対策を講じることはできません。その結果、想定よりも多くの税負担をしなければいけなくなってしまいます。
売上が少ない月を決算月とすることにより、このような想定外の税負担を回避することができます。
また、売上が最も多い月を年度の前半にすると、想定以上の売上が生じた場合であっても、対策を講じる時間が十分にあります。
4.本店所在地はどうやって決める?
法人を設立する際には、決算月と同様、本店をどこにするのかを決定する必要があります。
本店所在地は、以下のいずれかとするケースが一般的です。
・事務所の所在地
・代表者の自宅
本店所在地を変更するには、登記手続きが必要となり費用が生じます。
事務所は、スタッフ数の増減や経営方針によって、頻繁に変更となる可能性があります。
一方、代表者の自宅は、代表者の持ち家であれば、変更となる可能性は低いです。そのため、本店所在地の変更手続きが生じにくい代表者の自宅を本店所在地とすることがよく見受けられます。
5.お勧めしない本店所在地
今後は、自宅兼事務所という法人を除いて、誰かの自宅を本店所在地とすることはお勧めしません。
その理由は、来年1月から導入される法人番号制度です。法人番号は、個人に付されるマイナンバーと違い、オープンな情報です。10月に公開された法人番号公表サイトにて法人名を入力すると、その法人の本店所在地が表示されます。
これまでも費用をかけて、その法人の登記簿謄本を取得すれば、誰もが本店所在地を知ることはできましたが、今後は携帯電話やパソコンを通じて、費用をかけずに本店所在地を知ることが可能となります。
DMや訪問などによる代表者の自宅への営業などを回避するためには、自宅以外の場所を本店所在地とすべきではないでしょうか。