坂本会計

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2013.9 相続・贈与

どこまでが贈与に含まれる?

1.贈与とは?

“贈与とは、民法第549条において『当事者の一方がことによって、その効力を生ずる”自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって成立する契約』と定義されています。

2.贈与とみなされる場合

個人間で贈与を行った場合に、贈与を受けた者に対して課されるのが贈与税です。贈与税では、法形式上は贈与でなくても、その経済的な効果が実質的に贈与を受けたのと同様の場合には課税することとしています。
法形式上は贈与ではないが、贈与税の課税対象となる主な取引は以下の通りです。

①対価の授受を伴わない名義変更
②低額譲受
③債務免除等
④無利子の金銭貸与等

3.対価の授受を伴わない名義変更

不動産や株式等の名義変更があった場合において、対価の授受が行われていないときは、名義変更により新たに名義人となった者が贈与を受けたものとして、贈与税の課税対象となります。

4.低額譲受

時価(※)と比べ、著しく低い価額の対価で財産を譲り受けた場合には、譲り受けた者がその財産の時価と支払った対価の額との差額に相当する金額の贈与を受けたものとして、贈与税の課税対象となります。

(※)時価
低額譲渡の判定に用いる時価とは、対象物が土地や建物等の場合には通常の取引価額、それ以外の資産である場合には相続税評価額を用いるものとされています。

5.債務免除等

対価の授受をせずに債務の免除を受けた場合には、免除を受けた者が免除額に相当する金額の贈与を受けたものとして、贈与税の課税対象となります。
また、対価の授受をせずに、他者に債務を引き受けてもらった場合についても、同様に贈与税の課税対象となります。

6.無利子の金銭貸与等

夫と妻、親と子のように、特殊の関係がある者相互間において、無利子で金銭等の貸与があった場合には、借主が経済的な利益の供与を受けたものとして、贈与税の課税対象となります。ただし、これはあくまでも原則的な取り扱いです。利益を受ける金額が少額である場合等については、強いて贈与税は課税しないともされています。
なお、金銭の貸借にあたって、返済条件を「ある時払い」とした場合、貸借ではなく贈与したとみなされる可能性が高いと考えられます。ご注意下さい。

7.まとめ

この紙面で触れたもの以外にも、当事者間では贈与した、されたつもりがなくても、贈与税を納めなければならない取引があります。ご不明の点がございましたら、弊社三代川(みよかわ)までお問合せ下さい。

(参考資料)
・大蔵財務協会『平成25年版図解相続税・贈与税』