坂本会計

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2016.11 税制改正

消費税率引上げ・配偶者控除見直しの現状

1.結局どうなったの?

消費税率の引上げや配偶者控除の見直しなど、マスコミに大きく取り上げられていたけど、結局どうなったの?という制度があるかと思います。

本紙面では、それらの制度の現在の状況について解説します。

 

2.消費税率引上げ

消費税率は、平成24年8月に成立したいわゆる消費税法改正法により、平成26年4月に5%から8%へ、平成27年10月に8%から10%へ引き上げるものとされていました。

5%から8%への変更は、予定通り平成26年4月に実施されました。

一方、8%から10%への変更は、平成26年11月に、平成29年4月へ延期することが発表されました。

平成29年4月への延期が決まった際には、再延期することはないとされていましたが、平成28年6月に再延期が発表されました。

その結果、現時点では消費税率が10%となるのは、平成31年10月1日からとされています。

消費税率を10%に引き上げるにあたり、平成29年4月から軽減税率制度が導入される運びとなっていましたが、この軽減税率制度の導入時期も平成31年10月に延期されています。

 

3.配偶者控除の見直し

配偶者控除とは、所得税法上の控除対象配偶者がいる場合には、所得税を計算する際に所得金額から38万円を差し引くことができるという制度です。

所得税法上の控除対象配偶者とは、その年の12月31日時点で、以下の4要件全てを満たす者です。

①民法の規定による配偶者(内縁関係は対象外)

②納税者と同一生計である者

③年間の合計所得金額が38万円以下である者。その年の収入が給与収入のみの場合は、年間の給与収入が103万円以下であれば、これに該当します。

④青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていない者又は白色申告者の事業専従者でない者。

上記の4要件のうち、③の要件を満たすために、就業時間をコントロールすることが広く行われていますが、これが女性の就労機会や企業にとっての働き手の確保を阻害しているとの懸念から、配偶者控除を見直そうという議論が行われています。

現時点では、配偶者控除の見直しは決まっていません。

決定した内容ではないためはっきりとしたことは申し上げられませんが、配偶者控除を廃止することは

せずに、適用要件のうち、現在は給与収入が103万円以下としている部分を150万円や200万円としてはどうかという案が浮上しているようです。

 

4.平成29年度税制改正大綱

配偶者控除の見直しについては、毎年年末に発表されることが多い税制改正大綱において、明確な内容が盛り込まれるかもしれません。

平成29年度税制改正大綱が発表されましたら、要点をこの紙面にて解説いたします。適切な判断をするためにも、正しい情報を収集していきましょう。