坂本会計

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2022.6 税制改正

ネット通販の電子取引情報をどう保存すべきか?

1.電子取引とは

電子取引とは、注文書や請求書、領収書等を電子メールなどで授受する取引を言います。以下のような取引が該当します。

①電子メールにより請求書や領収書等のデータを受領する取引

②発行者のウェブサイトで領収書等をダウンロードする取引

③第三者等が管理するクラウドサービスを利用し領収書等を授受する取引

④クレジットカードの利用明細データ、交通系ICカードによる支払データ、スマートフォンアプリによる決済データ等を活用したクラウドサービスを利用する取引

⑤EDIシステムを利用する取引

⑥ペーパーレス化されたFAX機能を有する複合機を利用した取引

⑦DVD等の記録媒体を開始て請求書等のデータを受領する取引

書面以外の形で請求書等を授受する取引が電子取引に該当します。

 

2.ネット通販も電子取引

Amazonや楽天などのサイトを通じて購入した商品について領収書等を取得するには、Amazonや楽天などのサイトの購入履歴等のページから領収書をダウンロードしなければならないケースが多いです。これは先述の1の②に該当します。

 

3.電子取引情報の保存ルール

令和6年1月1日以降に行う電子取引に際して受領する取引情報(請求書、領収書等)は、紙に出力して保存することが認められず、電子データにて保存しなければなりません。

このルールは令和4年1月1日以降に行う電子取引について適用されることになっていましたが、多くの企業がこのルールに対応する準備ができていないことから、適用開始日が令和6年1月1日に延期となりました。

 

4.どう保存する?

電子取引情報は、日付、取引金額、取引先などで検索ができる(検索要件)にした上で7年間保存(保存期間要件)しなければなりません。

Amazonや楽天などのネット通販サイトの領収書に関するページが検索要件と保存期間要件の両方を満たしていれば、領収書等をダウンロードしなくても適正に電子取引情報を保存していることになります。

しかし、週刊税務通信令和4年4月18日号によると、保存期間要件を満たすサイトはあるものの、検索要件を満たすサイトは現時点ではないようです。つまり、ネット通販で購入した商品に係る領収書は、ネット通販サイトからダウンロードし、検索要件を充足させた上で所定の場所に7年間保存をしなければならないということになります。(三代川)