坂本会計

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2024.5 税制改正

第三分野保険・定期保険の保険料の経理処理

1.令和元年7月から変わりました

生命保険契約のうち、第三分野保険と定期保険に関する保険料に関する経理処理が、令和元年7月8日以降契約分より変更となっています。

変更から6年近くが経っているため、変更後の処理についてご存知の方も多いかと思いますが、今回は改めて変更後の経理処理について解説いたします。

なお、第三分野保険には、医療保険、がん保険、介護保険、傷害保険などが該当します。

 

2.保険金等の受取人が個人の場合

支払った保険料は、原則的には受取人に対する給与として取り扱われ、受取人は所得税や住民税を負担することになります。

3以降では、保険金等の受取人が保険料を支払った法人である場合の経理処理を解説いたします。

 

3.最高解約返戻率が50%以下の場合

最高解約返戻率とは、解約返戻率が最も高い割合となる期間におけるその割合を言います。なお、この割合は月単位ではなく年単位で計算します。

最高解約返戻率が50%以下の契約に係る保険料は全額が支払った時に経費となります。

 

4.最高解約返戻率が50%超70%以下の場合

最高解約返戻率が50%超70%以下の場合、年換算保険料相当額が30万円以下か、30万円超によって経理処理が変わります。第三分野保険・定期保険を複数契約締結している場合、30万円の判定は全契約を合算(他の保険会社との契約も含む)して行います。

①30万円以下の場合

保険料は支払った時に全額が経費となります。

②30万円超の場合

保険料のうち、60%の部分は支払った時に経費となり、残額は経費とはならず、資産として計上することとなります。

 

5.最高解約返戻率が70%超85%以下の場合

保険料のうち、40%の部分は支払った時に経費となり、残額は経費とはならず、資産として計上することとなります。

 

6.最高解約返戻率が85%超の場合

対象となる保険契約の保険期間によって、経理処理は変わりますが、大雑把にまとめると、支払った保険料×最高解約返戻率×0.9により算出した金額は資産計上、残額は支払った時点で経費となります。

 

7.保険料の支払時点で変わります

4~7では、保険料のうち~%が資産計上と解説しましたが、このような経理処理をする期間が決まっていて、その期間が過ぎるとそれまでとは異なる経理処理をすることとなり

ます。

このように、契約内容によって、経理処理が大きく変わります。第三分野保険・定期保険の新規契約を検討する際は、保険会社のご担当の方に既契約の情報や契約目的を正しく伝えることが大事だと考えます。(三代川)