坂本会計

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2022.2 税制改正

令和4年以降の住宅ローン控除

1.住宅ローン控除

住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して自宅を購入した場合に、年末時点の住宅ローン残高のうち一定の金額を一定の期間に渡り、所得税・住民税から控除できる制度です。

この住宅ローン控除について、近年見直しが続いています。本誌面では適用される制度について居住開始時期に分けて解説します。

なお、住宅ローン控除は新築か中古か、一般住宅か認定住宅かどうかによって、適用される制度が異なりますが、本誌面では新築の一般住宅を購入した場合に適用される制度を解説します。

 

2.令和元年9月30日以前入居

住宅ローンを組んで自宅を購入し、平成26年1月1日から令和元年9月30日までに入居をした場合に控除される金額は、1年当たり最大で40万円、控除期間は10年間です。

 

3.令和元年10月から令和3年12月の間に入居

住宅ローンを組んで自宅を購入し、令和元年10月令和3年12月までに入居をした場合に控除される金額は、1年当たり最大で40万円、控除期間は13年間です。1年当たりの控除額は、控除開始から10年間は住宅ローンの年末残高の1%、11年目から13年目は以下の①、②のいずれか少ない金額となります。

①住宅ローンの年末残高の1%

②(住宅を購入した金額(※)-消費税額)×2%÷3(※)上限4,000万円

 

4.令和4年1月以降入居

住宅ローンを組んで自宅を購入し、令和4年1月以降に入居をした場合に控除される金額は次の通りです。

①令和4年、令和5年に入居した場合

1年当たりの控除額は最大で21万円、控除期間は13年となります。

②令和6年、令和7年に入居した場合

1年当たりの控除額は最大で14万円、控除期間は13年となります。

①、②ともに控除される金額は、住宅ローンの年末残高の0.7%となります。長年、住宅ローンの年末残高の1%が控除額とされていましたが、令和4年度の税制改正により見直しとなる見通しです。

また、令和元年10月から令和3年12月の間に入居した場合は、11年目から13年目の控除額は3で解説した金額となりますが、令和4年以降に入居した場合は、11年目から13年目の控除額も住宅ローンの年末残高の0.7%となります。

 

5.見直しの背景

住宅ローンに適用される利率は近年1%を下回るケースが多くなっています。その結果、住宅ローンの利子よりも住宅ローン控除による減税額の方が大きいという逆ザヤの状態が多く見られるようになっていました。この状態が継続することは好ましくないという考えのもと、令和4年以降に入居した場合の住宅ローン控除額はこれまでと比べ縮小されることとなりました。(三代川)