坂本会計

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2017.1 税制改正

平成29年度税制改正大綱の概要

1.税制改正大綱

平成28年12月8日に税制改正大綱が決定されました。税制改正大綱とは、翌年以降の税制のあり方を網羅的にまとめたものです。税制改正大綱に記載されている内容は、翌年の通常国会にて可決されるまでは導入見送りとなる可能性もありますが、そのまま導入されることがほとんどです。

本誌面では、今回決定となった税制改正大綱の中で、中小企業や個人の方に特に影響が大きい項目をピックアップして解説します。

 

2.配偶者控除の見直し

配偶者控除とは、所得税法上の控除対象配偶者がいる場合には、所得税を計算する際に所得金額から38万円を差し引くことができるという制度です。

所得税法上の控除対象配偶者の要件の1つに、給与収入が年間103万円以下であることがありま

す。この点について、今回の税制改正大綱において、平成30年より、年間103万円以下から年間150万円以下に引き上げるとされました。

この見直しにより、約300万世帯が減税となると言われています。

ただし、これまでは配偶者の給与収入が103万円以下であれば、夫の給与収入がいくらであっても配偶者控除を受けることができましたが、今後は夫の給与収入が年1,220万円を超える場合は、配偶者控除を受けることができなくなります。

また、配偶者の給与収入が103万円を超えても、141万円未満であれば控除を受けることができる配偶者特別控除という制度がありますが、配偶者控除の見直しにより、こちらについても適用対象が配偶者の給与収入が150万円を超え、201万円以下の場合に変更されます。

 

3.タワーマンション節税の規制

数年前より、資産家の間でタワーマンション節税というものが広く行われていました。

マンションの場合、床面積が同じであれば、市場価値が低い1階の部屋でも、市場価値が高い最上階の部屋でも固定資産税評価額は同一とされてきました。

この評価方法を利用して、親が市場価値が高いタワーマンションの高層階を購入し、子に相続させるというのが、タワーマンション節税です。

この節税を封じるために、平成29年以降に建築されるタワーマンションの固定資産税評価額については、高層階は高くし、低層階は引き下げることとなりました。

なお、タワーマンションの定義は、高さが60mを超えるマンションとされています。

 

4.ビール系飲料の酒税見直し

現在はビール、発泡酒、第三のビールの三段階に分かれているビール系飲料の酒税について、平成30年10月から統一を進め、平成36年10月には全て同一の税額とすることになりました。

その結果、ビールは減税となり、発泡酒と第三のビールは増税となります。

本誌面で触れた内容、それ以外の税制改正大綱の内容にご興味のある方は、ぜひ弊社担当者までお問合せ下さい。